大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和41年(手ワ)3923号 判決 1967年3月15日

理由

一、原告主張の請求原因事実は、そのうち裏書の連続を除いてすべて被告の認めて争わないところである。

右手形の裏面記載によれば、第二裏書欄中の被裏書人欄における埼玉県信用金庫の記載が現に抹消されていて他に記載のないことは当裁判所に顕著である。そのため右被裏書人の記載は存在しないものとなり、原告主張のとおり各裏書が連続しているものというべきである。従つて、原告は本件手形の正当な所持人であると推定すべきである。

二、第三裏書人の訴外加藤義八から原告への裏書が期限後裏書であるからといつて、当然に第二または第一裏書人に対する抗弁をもつて原告に対抗できるものではない。ところで、被告は右第三裏書人から原告への裏書が期限後裏書であると主張するのみであつて、第二または第一裏書が期限後のものであることの主張をしていないので、第二裏書人の訴外加藤公明または第一裏書人の訴外埼玉設備工業に対する弁済をもつて原告に対する抗弁事由とすることはできないのみならず、右弁済の事実を認めるのに足りる証拠もないから、いずれにしても右抗弁は採用できない。

三、そして、請求原因事実によれば、原告の本訴請求は正当であるからこれを認容。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例